魅惑の果実
いったい誰のせいで弱ってると思ってんの?
桐生さんの一挙一動で私の心はコロコロ変わるんだよ?
ねぇ、桐生さん……気付いてないでしょ?
……小西さんとの事、誰にもばれないようにしないと……。
私と小西さんが付き合ってるって知っても、桐生さんは呆れるくらいでヤキモチとかは妬いてくれないんだろうな。
桐生さんが小西さんの何を知っているのかは分からない。
だけど、今の私にとって小西さんは甘えられる場所だった。
それに今まで小西さんと接してきて、どうしても悪い人だとは思えない。
一人でお店に戻る間、色んな考え、想いが溢れた。
「莉乃、大丈夫だったか?」
「え? はい、大丈夫でした」
店長に訪ねられ、何が大丈夫かよく分からなかったけど、とりあえずそう答えた。
「お前がタメ口使ったときは肝が冷えたよ」
「あー……すみません」
「桐生さんにあんな口の聞きかたする奴はそうそう居ないよ」
やっぱり凄い人なんだ。
今更になってちょっと焦ってきた。
「また桐生さんが来た時は頼むな」
「え?」
フロアに戻ろうとして、店長の言葉に思わず振り返った。
「莉乃以外のヘルプはつけなくていいって言われたよ」
胸が大きく高鳴る。
同時に自分の中の桐生さんへの想いが、更に大きくなっていくのが分かった。
桐生さんの一挙一動で私の心はコロコロ変わるんだよ?
ねぇ、桐生さん……気付いてないでしょ?
……小西さんとの事、誰にもばれないようにしないと……。
私と小西さんが付き合ってるって知っても、桐生さんは呆れるくらいでヤキモチとかは妬いてくれないんだろうな。
桐生さんが小西さんの何を知っているのかは分からない。
だけど、今の私にとって小西さんは甘えられる場所だった。
それに今まで小西さんと接してきて、どうしても悪い人だとは思えない。
一人でお店に戻る間、色んな考え、想いが溢れた。
「莉乃、大丈夫だったか?」
「え? はい、大丈夫でした」
店長に訪ねられ、何が大丈夫かよく分からなかったけど、とりあえずそう答えた。
「お前がタメ口使ったときは肝が冷えたよ」
「あー……すみません」
「桐生さんにあんな口の聞きかたする奴はそうそう居ないよ」
やっぱり凄い人なんだ。
今更になってちょっと焦ってきた。
「また桐生さんが来た時は頼むな」
「え?」
フロアに戻ろうとして、店長の言葉に思わず振り返った。
「莉乃以外のヘルプはつけなくていいって言われたよ」
胸が大きく高鳴る。
同時に自分の中の桐生さんへの想いが、更に大きくなっていくのが分かった。