君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
本当にあり得ない話よ。副社長が私を好きなわけないじゃない。


「ちょっと。私、本気なんだけど」

私は笑っていると言うのに、橘さんの表情は変わらないまま。


「あの人、滅多に他人に強い関心示さないのよ?いつも適当に笑顔振り撒いて誤魔化しているけど、女性を冗談でも下の名前で呼んだことないし、自分から女性に近づいているところも見たことないし」


「...それはきっと私のことをからかっているからでしょ?」


そうに決まっている。


「それに私と橘さんってタイプが違うと思うし。...だからよ、きっと」


だってあの副社長よ?...私を好きだなんて、絶対に有り得ない。


「...そうかしら。私にはそう思えないんだけど」


いまだに納得出来ないのか、腑に落ちない様子の橘さん。


「だから本当に有り得ないから。もうこの話はおしまいにしましょ。せっかくの料理も冷めちゃうし」


手付かずだった料理を食べ始める。


「まぁ...。私の勝手な妄想だしね。せいぜい私の予感が当たらずにいることを祈っているわ。...せっかプロポーズされたのに、今更恋愛トラブルにならないように、ね」


「...ちょっと橘さん。不吉なこと言わないでよね」


今まで色々なことがあってやっと圭吾さんと幸せな未来が迎えに来てくれたっていうのに。
...トラブルなんて、もう懲り懲りよ。
それにやっぱり有り得ない話しすぎる。
あの副社長が私を好きだなんて。


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「...櫻田さん。俺の顔に何かついているかな?」
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