君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
言葉とは裏腹にホッとしている自分がいる。


「仕事に戻るので失礼します!」


「ばいばーい」


いまだに私をバカにしたような表情をしたまま呑気に手を振る副社長に一礼し、すぐさま部屋を出る。

そして部屋を出たと同時に漏れる大きな溜め息。


「...なんなのよ、本当に」


橘さんがあんなこと言ったからよ。...変に意識しちゃったじゃない。


「でも、副社長もふざけすぎよ」


最近ますます私への扱いが酷くなってきている気がする。

だけど本当、気を付けないと。変な噂が立たないように。
それに私だって困るわよ。変な噂が立っちゃったら。...圭吾さんに変な誤解なんてされたくないもの。


ーーーーーーー

ーーーー

「櫻田ー!」


「...藤原さん?」


どうにか仕事も終わりエントランスを抜けると背後から聞こえてきた声。

振り返り見るとこちらに駆け寄ってくるのは、やっぱり藤原さんだった。


「櫻田も今あがりか?」


「はい。基本残業ゼロがモットーの会社ですから。特に副社長秘書様は社訓を守らなくてはいけないので。藤原さんも帰るんですか?」


「勿論。愛しの亜希子と光太が俺の帰りを待ってくれているからな」


「...それは早く帰らないとですね」
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