君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「...あの、一つお伺いしてもよろしいですか?」

気になり出すと、ずっと気になっちゃうのよね。それにどうやら私はすぐ顔に出てしまうタイプみたいだし。

「櫻田さんが俺に質問なんて珍しいね。なに?なんでも聞いて」

...そんなにこにこ笑顔で構えられても、ある意味困るのだけど。

「いえ、そんな大したことではないんですが、副社長はどうして今のお歳まで独身を貫いてきたんですか?...ありましたよね?以前にもきっと今回みたいな縁談話が」


『きっと』じゃなくて『絶対』あったはず。ならどうして?

「あはは!なるほどね。そういう話か」

内容が意外だったのか笑いながら副社長は立ち上がり、全面ガラス貼りで景色が綺麗に見渡せる窓際へゆっくりと足を進める。

「うーん...。一番の理由は仕事が楽しかったから、かな?俺の生活の中心は常に仕事だったからね。そんな人間が家庭を持てるわけないだろ?」

確かに。...結婚した以上はやっぱり少しは家庭を大事にしてほしいって思ってしまうもの。女性ならきっと。


「あとはね、これ言ったら櫻田さんに笑われちゃうかもしれないけど、昔から信じているんだよ」

信じている?

「何をですか?」

そう訪ねると副社長は振り返り、笑顔で言った。


「運命を、ね。...運命の出逢い、運命の人を俺はずっと信じている。絶対にいると思うんだ。この人だ!って思える人が必ず」

「.......」

驚いてしまった。
副社長の口から『運命』なんて言葉が出てくるなんて。それにしても意外に副社長ってば、ロマンチストなのね。
絶対に、とか言ってたし。


「...あっ。やっぱりいい歳した男がなに考えてんだよって思ったでしょ?」

「えっ?...いや、違います!」

やだ。私ってばつい口元が緩んじゃっていた?


「私はそうは思いませんよ。運命って言葉、好きですし」

それに私もあると思うから。

「櫻田さん...」
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