君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
だってあんなの、反則よ。

なによ、私がいるから大丈夫って…!

「意味分からない…」

あんな何気ない言葉一つでこんなにも動揺している自分自身が。

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「お待たせしました、副社長」

「おぉ!いいね、そのドレスよく似合っているよ」

「...それはありがとうございます」

待たせていたタクシーに乗ると、既に副社長は準備万端で乗っていて、いつものように、にこにこしながらそんな台詞を言ってくる。

「すみません、お願いします」

運転手さんに声をかけると、車は走り出した。

隣に座っている副社長を見ると、確かに体調は回復しているようだけど...。終わるまでもつかしら。
途中で倒れないか、それだけが心配。

招待されているのは、各界を代表する大物ばかりだし。
行ってすぐに帰れるわけないし、色々と気遣わなくてはいけないから、余計に体力を消耗してしまうだろうな。


「ちょっと櫻田さん、なんでそんな溜め息吐いてるのさ」

「えっ、私吐いちゃってました?」

無意識のうちに?

「吐いちゃってたよ。もー、悩むのはやめなさい。どうせご馳走なに食べようか悩んでいたんでしょ?」

「なっ!失礼ですね!そんなわけないじゃないですか!!」

「あははは!冗談に決まってるでしょ?」

もう!こっちの気持ちも知らないでこの人は!
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