君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
さり気なくいつも気付いてくれてフォローしてくれる。だから私はみんなみたいに副社長の秘書を辞めたいとは思えないのよね。

ちゃんと秘書として副社長のサポートをしたいって思う。
だから…今日の私の判断は間違ってなかったのよね。だって今の副社長、すごく楽しそうだし嬉しそうだし。

「さて、なにか飲み物でも飲んでこようかな」

立ち上がり、ボーイの元へと向かう。

「すみません、ひとつもらえませんか」

「どうぞ」

「ありがとうございます」

ワインを受け取り、元の席に戻ろうとしたとき

「おいおい、いいじゃねえかよ。ただ俺の話相手になってくれって言ってるだけなんだから」

「本当すみません、そういうのは…」

…ん?この声ってまさか…。

人だかりができている場所へと向かい、人をかき分け見ると数年たっても昔と変わらない三田社長の姿があった。

やっぱり!

あの時と同様だいぶ酔ってる様子。また懲りずに女性にしつこく絡んでいて、そしてみんな見ているだけで誰も助けようとしない。

本当にあの人も変わらないのね。

「別にいいだろ?一緒に飲むくらい」

「でも…」

しつこい三田社長。それに困っている女性。
その姿にいますぐ飛び出していきたい気持ちになるが、頭に浮かぶのはさっきの副社長。

そうよ、だめよ。
今の私は副社長秘書。今日は我が社が大きく関わったホテルのオープン記念セレモニー。
そんな場所で私が問題を起こすわけにはいかないじゃない。
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