君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「いくらなんでも遅すぎるよな」

あれからシャワーを浴びて出てくると、十一時を過ぎていた。
それに菜々子からの連絡もないし、電話をしても繋がらない。いくらなんでもおかしいだろ。

すぐさま電話帳から藤原を呼び出し電話を掛ける。

「…あっ、悪い藤原。寝てたか?」

長いコール音のあと、やっと繋がった電話。

『……おい、つまらねぇ話だったら怒るぞ?せっかくいいところだったのに…』

『ちょっと剛さんっ』

電話越しから聞こえてくる二人の声に状況が把握できてしまった。

「…わりぃ」

そして申し訳ない気持ちになってしまう。だけど今はそれどころじゃない。

「藤原!菜々子と副社長が行ってる場所分かるか?」

『えっ…なに?まさか櫻田まだ帰ってきてねぇの?』

「そのまさかなんだよ」

『ちょっと剛さん!?櫻田さんがどうかしたの!?』

『ちょっと待てって!…東野!今すぐ調べて住所と電話番号送るから』

「悪いな。…あぁ、分かった」

電話を切り、藤原からの連絡を待つ。

…まずは電話で確認した方がいいよな。もしかしたらまだ会場にいるかもしれないから。

そうやって自分を落ち着かせていたけど、すぐにそんな余裕はなくなってしまった。

「…そうですか。分かりました、ありがとうございます」

電話を切ると同時に貴重品だけ持ち家を出る。

「くそっ」

藤原から連絡をもらい会場のホテルに確認してみたら、セレモニーは一時間前には終わり招待客は全員帰ったと聞かされた。
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