君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
『菜々子とは同期でもう10年以上の付き合いがありますが、最初の頃はこんなにも仲良くなれるなんて、夢にも思いませんでした』

うん…。
私もそうだった。

『ライバルで気が合わなくて、顔を合わせれば口喧嘩ばかりで。…だけど菜々子は私にはないものばかり持っていて凄く羨ましかったんだと思います』

その言葉に胸がジーンとする。

『でもあることがきっかけでいつの間にか一緒に過ごす時間が増えていって。…お互いピンチのときは助け合ったり、励ましあったり。私にとって菜々子は誰よりも大切な友達です。そんな菜々子が今日までどれだけ頑張ってきたか一番近くで見てきました。…だから東野さん、これから先なにがあっても絶対に菜々子のことを幸せにしてあげて下さいね!そうでなかったら私が許しませんから』

亜希子らしい言葉に会場内からは笑い声が聞こえてくる。

「分かってるよ、約束する」

そんな中、隣から聞こえてきた声。
それは圭吾さんが亜希子に言った言葉。

『そうこなくちゃ。…以上です』

圭吾さんの言葉に満足気に笑うと亜希子は手を振りながら席へと戻っていく。
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