君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~

どうやったら振り向いてくれるんだ?

「あー!ちょっと桜子ってば、せっかく化粧したんだから目を擦らないの!」

「だって目が痒くて…」

「痒くても我慢するっ!!」

「……はい」

あの三人での飲み会から数日後の今日。
時刻は夜の十八時過ぎ。華の金曜日、今日は和也君をまた無理矢理誘って会う約束になっている。
それを聞いた菜々子に呼ばれ、菜々子と東野さんの住むマンションに呼ばれたものの……。
なぜか今、菜々子に化粧されている状態の私。

「なぁ、なんで化粧なんだ?別にいつも会う時はしてねぇし…」

「だからするに決まってるじゃない!いつもとは違う桜子を見せて、副社長を驚かせてあげなきゃ!」

なぜか目を輝かせて言う菜々子。
そんな菜々子に若干引き気味の私……。

「いや…それは無理だろ。だって私だし?」

菜々子ならそんなサプライズも効力を発揮するのかもしれねぇけど、私にはそんな芸当はできそうにない。
そんなの、自分自身が一番よく分かっている。

そう言ってるのに、菜々子は引き下がる様子はなく、興奮気味に話してきた。

「なに言ってるのよ!桜子は元がいいんだから、化粧してなんぼよ!ほら、続きしちゃうから、ジッとしてて」

「……分かったよ」

菜々子に押され、渋々おとなしくされるがままの私。
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