君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
「だから櫻田さんにお願いしました。……どうしても五條さんに伝えたかったから」

そう言うと、和也君は真っ直ぐ私を見つめてきた。
ドキドキとうるさい胸が、さらにうるさく鳴りやがる。

「まだ完全な気持ちではありません。……でもどうやら俺は、あなたがいないと仕事でミスしてしまうほど、だめみたいなんです。……こんな半端な気持ちですけど、もう少しだけ待ってもらえますか？」

……っ！ん、だよ、それ……。
バカじゃねえの？
なんでそんなこと、今にも泣き出しちまいそうな顔して言うんだよ。

そんな顔をされたら、こっちが泣きそうになってきた。

溢れそうになる涙をグッと堪えながら、和也君を見つめる。

「バカ。……当たり前だろ？私は、どんな和也君でも好きなんだ。……菜々子が忘れられないって聞いても……それでも好きなんだから」

「五條さん……」

ダメだ。
堪えていたのに、涙が溢れてきてしまった。

そうだ。
私は好きなんだ。
運命を感じてしまったあの日からずっと和也君のことが……。
理由なんていらねぇ。
ただ、好きなんだ。

涙を拭い続けるものの、なかなか止まってくれそうにない。
そんな私を見てか、クスクスと笑い出した和也君。

「……なに笑ってんだよ」

柄にもなく自分が恥ずかしくて、つい可愛げのねぇ言葉を言ってしまった。

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