君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「いいえ。ただ、可愛いなと思いまして」

「なっ……!バッカじゃねぇの!?」

『可愛い』という言葉に、熱くなる身体。
まさか和也君の口からそんな言葉が出てくるとは、夢にも思わなかったから……。


「五條さん……じゃあ付き合っていただけますか?」

「え?」

笑顔のまま、言葉を続けた。

「恋愛リハビリに」

『恋愛リハビリ』つまりそれって……。

「どうもリハビリには、あなたの力が必要不可欠みたいなんです。……いかがでしょうか?」

そう言う和也君の顔は、私の答えなど最初から分かっているようだった。
悔しいけどそうさ。
私の答えなんて、最初からたった一つしかないんだから。

「そんなの、付き合うにきまってんじゃん」

好きだから――。
そんなの、いくらでも付き合ってやる。
和也君のそばにいられるなら、いつまでもずっと――……。

――――――――――――――――
―――――――――――

約一年後――。

「遅いぞ、和也君!」

「すみません、櫻田さんがなかなか帰してくれなくて」

週末前の金曜日。
あの『恋愛リハビリ』が始まった日から、一年が経とうとしている。
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