君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「和也君が、なにか菜々子を怒らせるようなことでもしちまったんじゃねぇの?」

「なに言ってるんですか。そんなのいつものことですよ」

相変わらず『恋愛リハビリ』は継続中だったりする。
それに和也君は、いまだに私のことを『五條さん』って呼ぶし、敬語だし……。
でも、それでもいいんだ。
大好きな彼のそばに、こうしていられるのなら……。
会う約束をすれば、いつもこうやって会ってくれるだけで充分なんだ。


「……あれ?どこ行くんだ?」

「車ですよ。言ったでしょう?今日は私に任せて下さい、と」

「そりゃそうだけど……」

大抵いつも私から誘うことが多い。
でも今日だけは、和也君から誘ってくれた。しかも一カ月前から……。
だから何気に緊張しているし、嬉しくて堪らなかったりする。

和也君の車に乗り込み、シートベルトをつけながらも行き先が気になり、聞いてしまった。

「ところでどこに連れて行ってくれるんだ?もしかしてすっげ酒がうまいところか!?」

つい期待してしまう。
それに和也君が選んでくれた店なんて、嬉しすぎるだろ?

そう思っていたのに、和也君からは思いもよらぬ答えが返ってきた。
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