君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「えっと...じゃあせっかくなのでご一緒させて頂きます」


ぎこちなくもそう言葉を返す藤原さん。

そうよね、副社長にそう言われちゃったらそう返すしかないわよね。


藤原さんに続いてみんな席に座る。

そんな様子を副社長は嬉しそうに見つめている。

そりゃ副社長は嬉しいかもしれないけど、私にはとても困る状況なんですけど...。

今日、話そうとは思っていたけどそれは勤務が終わってからにしようと思っていたから。
ちょっとまだ心の準備が出来ていない。

それなのに副社長は


「どうぞ座って!櫻田さんと二人だけだったから、つまらなくてねー。よかったよ」


なっ...!つまらないって...!

いつものように言い返したいところだけど、藤原さん達がいる手前ぐっと堪える。


「お隣いいですか?」


その声に飛び跳ねる心臓。


「どっ、どうぞ」


「ありがとうございます」


そう言って隣に座ってきたのは中山さん。


「みんないつもお疲れ様。一番大変だよね、営業部は」


「いえ、そんな...」


「みんなどう?仕事で困っていることはない?」


目の前では副社長と藤原さんをはじめとする営業部の皆さんがぎこちなくも会話をしている。

...そして私と中山さんは茅の外状態。


うぅ。堪らなく居心地が悪い。
こういう場合、先輩である私の方から何か話題を振るべきよね。

って言っても何を話したらいいのかしら...。


「櫻田さん...」


「えっ!?」


突然呼ばれ、思わず大きな声が出てしまった。


「すみません、聞こえないように話しますので。...藤原部長に言わないでくれてありがとうございました」


こちらを見ることなく食べながらそう話す中山さん。


「正直、言われちゃうかなぁって思ってたんですけど意外でした」


「それは...当たり前よ。人の気持ちを軽々しく口には出来ないわ」


私も聞こえないよう小さな声で話す。


...本当は何度も何度も藤原さんや橘さんに言いたくなる場面があったけど。


「ふふふ。本当に櫻田さんがライバルじゃなくてよかったですよ。きっと敵わなかったですもん」



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