こんな能力(ちから)なんていらなかった
「あんたは亀なの!?」
奈々のツッコミももっともだ。
「瘴気が抜けるまで優羽は待機!仕事はお休み!いいね!?」
「………………はい」
小さな声で返事したら奈々は部屋を出ていった。
と思ったらすぐに戻ってきた。
小脇に水やら薬やらアイス枕やらを抱えて。
「いや、それはいらない……」
「貼っときなさい!」
抵抗虚しくおでこに冷えピタを貼られる。
アイス枕と冷えピタのコンボだと流石に頭が冷えすぎる。
奈々がいなくなったら剥がそうと密かに決意を固める。
「なんかあったらすぐに呼びなさいよ!?今日は今んとこ私の仕事もないからね」
「…………ないのかぁ」
「何か文句でも?」
奈々が額に怒りマークを浮かばせていることに気が付くと、優羽は布団の中に再び潜った。
「じゃあ、ゆっくり寝てなさい」
奈々は言い残して部屋を出て行く。
足音が完全に聞こえなくなったことを確認した優羽は、冷えピタを剥がしてゴミ箱に折りたたんでから捨てた。
そしてベッドに三度潜り込んだ。
ふぅと息をつく。
風邪じゃないからか、それとも熱が上がり切っているからなのか、寒気はない。