オモイデバナシ
その当時はテレビゲームが流行り始めの頃で。

我が家にも一応ゲーム機はあった。

トモはゲームが好きで。

でもヘタクソだった。

俺と勝負すると確実に負けてたっけ。

ヘタクソなのに挑んできて、あんまり負け続けると泣くんだよなー。

「トモ、こうちゃん困ってるでしょー?」

千秋がトモをたしなめる。

…千秋は随分お姉さんらしくなっていた。

俺の後をチョコチョコついてきていた千秋が、泣いているトモの世話をしたり、飲んだジュースのグラスをきちんと盆に戻したり、散らかしたゲームを片付けたり。

おおー、すごい。千秋俺より大人かも。

ちょっと感心してしまった。

「千秋ちゃんしっかりしてきたわねー」

母さんも同じ事で感心している。

「お姉さんらしくなって…うちの耕介のお嫁さんになってくれる?」

「「え?」」

俺と千秋の声がはもる。

動揺した俺はゲームのコントロールを誤り。

本日、トモへの一敗を喫してしまった。
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