オモイデバナシ
そう、不安だったのはこの呼び名だ。
長く会わなくて、どちらもすっかり大人びて。
俺は千秋が、「耕介くん」なんて呼ぶんじゃないかって思っていた。
昔からのあの呼び方で、もう呼んでくれないんじゃないかって思ってた。
だから、千秋が何の迷いもなく「こうちゃん」って呼んでくれた時、肩の力が抜けるような気がした。
無駄な心配だった。
こいつはいつまで経っても、俺の子分の千秋なのかもしれない。
「何だよ突然、今日はどうした?」
そう尋ねると、いかにも活発な千秋らしい返事が返ってきた。
「今日お休みだったんだけど、急に町内の運動会に駆りだされちゃって…ちょっと100メートル走してきたの」
もちろん一等賞だったけどね、と、千秋は自慢げに言った。
昔からすばしっこかったもんな、千秋。
駆けっこだけは、どうしても千秋には勝てなかったっけ。
…その会話をきっかけに、俺と千秋は5年ぶりの昔話に花を咲かせた。
「そうそう、こないだおばちゃんから聞いたぞ。トモがヤンチャしてるんだって?」
「そうなの」
千秋は苦笑いする。
「こうちゃんからも言ってやってよー。勉強もしないで、毎晩遊び歩いてるんだから」
そう言ってしかめっ面をする千秋は、相変わらずのお姉さんの顔をしていた。
長く会わなくて、どちらもすっかり大人びて。
俺は千秋が、「耕介くん」なんて呼ぶんじゃないかって思っていた。
昔からのあの呼び方で、もう呼んでくれないんじゃないかって思ってた。
だから、千秋が何の迷いもなく「こうちゃん」って呼んでくれた時、肩の力が抜けるような気がした。
無駄な心配だった。
こいつはいつまで経っても、俺の子分の千秋なのかもしれない。
「何だよ突然、今日はどうした?」
そう尋ねると、いかにも活発な千秋らしい返事が返ってきた。
「今日お休みだったんだけど、急に町内の運動会に駆りだされちゃって…ちょっと100メートル走してきたの」
もちろん一等賞だったけどね、と、千秋は自慢げに言った。
昔からすばしっこかったもんな、千秋。
駆けっこだけは、どうしても千秋には勝てなかったっけ。
…その会話をきっかけに、俺と千秋は5年ぶりの昔話に花を咲かせた。
「そうそう、こないだおばちゃんから聞いたぞ。トモがヤンチャしてるんだって?」
「そうなの」
千秋は苦笑いする。
「こうちゃんからも言ってやってよー。勉強もしないで、毎晩遊び歩いてるんだから」
そう言ってしかめっ面をする千秋は、相変わらずのお姉さんの顔をしていた。