オモイデバナシ
急だったので若干アタフタしたものの、まぁそこらで一緒に飯でも、という事で、俺と千秋は出掛ける事にした。

俺の車で、近くのファミレスへ。

気のきいた店の一つもチェックしておかなかったのは、今でも悔やまれるところだ。

もっとも、千秋も気取った店は疲れる、なんて言ってたけど。

それにしても、子供の頃から知っているお互いが、車で出掛けるようになるとは感慨深い。

どっちも大人になったという事だろう。

そんな話を、飯を食いながらする。

「こうちゃんが22で、私が19…もう十年以上の付き合いなんだねー」

千秋が指折り数えながら言う。

「そんなになるのかー」

俺もその年月にはちょっとした驚きだった。

なのに、二人の関係は相変わらずの幼馴染み。

自分の意気地のなさを責めるべきなのか、きっかけのなさを呪うべきなのか…。

まぁ、前者だろうな…。

千秋にばれないように、こっそり溜息をついた。




ファミレスを出た後。

「こうちゃん時間は平気?」

千秋が俺の顔を見る。

「ああ、大丈夫だけど、何だ?」

俺が言うと、千秋は近くにあったゲームセンターをチョイチョイと指差す。

「ちょっと、寄って行かない?」


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