逆ハーレムに巻き込まれました。




控室の中は、少し大きめのロッカールームのような構造になっていた。


壁には様々な武器が立てかけられ、その上には『持出厳禁!』の張り紙がされている。

……ということは、これらは全て貸し武器なのだろう。さすがは国立、種類が豊富だ。


まぁ剣士科もあるくらいだしね、と考えながら、私はその中の一つを手に取る。


細長く、片刃になっているのが特徴の『カタナ』という武器だ。


刃引きがしっかりされている事から、とりあえず決闘が本当の殺し合いではないと分かってちょっと安心。


重さや長さにも問題がない事を確認した私は、自分のカバンを開けて一冊の本を取り出した。


百科事典ほどの厚みがあるそれを開けば、表紙の裏には一つの魔法陣が描かれている。


さらに、本のページは細長くくり抜かれたうえに加工され、その中に何枚もの紙――『符』が収められていた。


私はそれらに不備がないか素早くチェックすると、本とカタナを抱えてグラウンドへと飛び出す。


……グラウンドの中央には、すでに相手であるリョウ先輩が立っていた。




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