逆ハーレムに巻き込まれました。




(もう、なんで今日に限って!)



もしかして、リョウ先輩の誕生日プレゼントとして買ったお守りが実は『不幸のお守り』だったとか?


……だとしたらヤバい。


最悪机の中に放り込んで渡そうと思って書置きまでつくっておいたけど、もしも不幸を呼ぶ物だったら申し訳なくて渡せないよ。


守護魔法をかけた時には気付かなかったけどなぁ……なんて考えながら、ゆっくりと目を開ける。


涙で滲んだ視界に顔をしかめつつ、とりあえず上体を起こしてかばんを探そうとしたその時……私は、ようやくこちらを凝視する2対の瞳に気がついた。


片方は、深海のように綺麗な青色。


そしてもう片方は――驚きに丸くなった赤い色。



(……やば、見つかった!)



別に悪いことなんてしていないのに、バツが悪くなるのはなんでだろう。


私は打ちつけた場所に手を当てたまま、二人に苦笑いをしてみせた。



「あー、えっと、こんにちは……」


「………………」


「すみません、あの、転んだだけなので。どうぞ気にしないでください」


「………………」


「……あ、あのー?」




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