逆ハーレムに巻き込まれました。
大太刀というのは、非常に大きく重いのが特徴だ。
決して、あんなに細い剣で受け止められるような――それどころか弾き返す事ができるような得物ではない。
(くそっ、やっぱりそう簡単には終わらねぇか……!)
俺は舌打ちをしながら素早く後退し、自分へ【物理耐性】の魔法を重ねた。
(しかし……驚いたな)
『閃光吹雪』といえば、圧倒的な強さを誇るという話で有名な冒険者のチーム名である。
確かに、その正体は黒髪の女と金髪の男の二人だという噂が流れていたが……。
(この女がその片割れだというのか!)
俺は内心で舌打ちしながら、目くらましの呪文である【瞬光】の魔法を使った。
しかし俺が魔法を放つのと同時、少女の持っていた本からも強い風が放たれる。
どうやら、向こうも同じ方法を取ろうとしていたらしい。
俺は白く染まる視界に目を細めながら、もう一度突撃しようと足に力を込め――
「……え?」
いつの間にか周囲を舞っていた数十枚の紙に、思わず戸惑いの声をあげた。