逆ハーレムに巻き込まれました。




「ぐ、……ぉぉおおおおおお!?」



いくら【魔法耐性】を自分にかけているとはいえ、その守護は絶対ではない。


俺は、次々と襲いかかってくる魔法に対し歯をくいしばって耐えるしかなかった。


そして、魔法の雨が止んだ頃……



「……く、そっ…………!」



俺は、地面に突き立てた大太刀にもたれかかって立つのがやっとだった。


しかし。



「……え、アレを耐えきったんですか!?」



次に聞こえてきたのは、降伏を促す声ではなく、ひどく狼狽したような呟きだった。


痛みを堪えながら上を向けば、視界に入ったのは目を見開いてこちらを見つめる少女。


そして、その後ろで黄金の輝きを振りまく巨大な魔法陣だけだった。



「えーどうしよう、これ以上っていったらアレしかないんだけど……」



少女は眉間にシワを寄せながら剣を構えると、詠唱を開始した。


その言葉に反応して、魔法陣は少しずつ輝きを増していく。


その輝きを見た俺は、本能的に悟った。



――この詠唱を完成させてはならない、と。



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