もしも私が―。

 ――バタ―ン! 

 家のドアを思いっきり閉めた。
 玄関で上がった息を整えていると

「うるさいわよ!ちょっとは静かに出来ないの」

 口やかましい姉が台所から出て来た。

「うるさいなあ!別にいいでしょ!」

 そう言い放つと、そのまま階段を上り、自分の部屋へと向かった。
 自分でも生意気って分っているけど、つい、姉にはあんな態度をとってしまう。
 でも、それよりも私はあのことで頭がいっぱいだった。
 ベットに横になり考える。

(警察に電話しなくても良いのかな?でも、なんて言うの? 男の人が突然化け物になりましたって? 誰も信じてくれるわけ無いじゃない、そんなこと!……忘れよう……すべては、夢だったんだ!)

 私はそう思う事にした。じゃなきゃやってらんないよ!           

 そのまま、私は深い眠りについた。
 
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