代償
言っちゃ悪いけど………。
私は初めて上時のお見舞に来る。
怖くて行けなかった。
行く権利がないから。
でも。
ついに。
なんと。

凜音さんに引っ張り出されました。
キャーラに引っ張り出されました。
ユートさんに引っ張り出されました。
はい。
行きます。


「───大学病院?」
すっごい、広い。
建物大きいし。
………何階建て?
1、2、3………5階建て。
すごい。
フロントで。
「306号室だって」
ユートさんが聞いてきた。
………3階かぁ。
………中途半端だね。


301、2、3………6。
「二人部屋って聞いてる。一人で使ってるらしいけど」
「またゼータクな」
「決めたのはマスターだよ」
「出たよ、マスター」
「今日は来ないみたいだね」
落ち着いた会話。
無論、凜音さんとユートさん。
って。

───あれ?
ここ?
だって。
部屋の入り口のネームプレートの名前。
違うよ?

『上城 上時』じゃないよ?
< 185 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop