桜雨〜散りゆく想い〜
 「ここに何か用事ですか?」


 「え?あ、はい……」


 女の人は明らかに僕を訝しむような視線で見る。


 「どちら様ですか?」


 「えと……柏木望って言います」


 女の子は僕の顔を覗き込むようにして身を乗り出した。


 やはり香に似ている。次の瞬間、それも当然だと僕は納得した。


 「柏木ってまさか……ノンちゃん!?」


 「はい――そうですけど」


< 149 / 202 >

この作品をシェア

pagetop