桜雨〜散りゆく想い〜
 僕は公園を探して走った。


 薫さんの言ったとおりすぐ側に公園があり、そこに数本だか桜が咲いていた。


 雨のせいでほとんど散ってしまっているが、わずかに枝にピンク色が見える。


 「香ちゃん!」


 既に日は落ちて誰もいない公園に僕の声だけがこだまする。


 「香ちゃん!」


 二回目に叫んだ時、桜の下にあるブランコが揺れてキィと音を立てた。


 
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