桜雨〜散りゆく想い〜
 「私はもう死んだの……ノンちゃんが見てるのは過去だよ。私がノンちゃんを恨んでるように見える?」


 何も言えずに僕はただ立ち尽くし香を見ていた。


 「桜がね……散るまでって約束だったの。あっちの人とのね」


 「それで――」


 『散らないで……』


 桜を見ながら言う香の言葉の意味がやっとわかった。


 以上なまでの執着もそのせい――


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