掌編小説集
693.執念がブール・ノワゼット
私と約束した貴方とあの人
あの人をサポートするという名の目的を阻止する為に貴方が作った部署に異動する
キャリア組の彼の経歴に傷が付かないように巻き添えになって累が及ばないように
同じキャリア組でありながら仕事には理解がありながら不満なんて無いに等しいのに
仕事仕事で家庭を顧みなくなって結婚生活が破綻してしまったと嘘を付いて
対外的には降格処分の異動となってしまうからその前に切り出して彼とは別れた
あの人の暴走を止められない貴方に依頼された関連する事件が発生して
秘密裏に部署から離れて行動していたら捜査をする中で彼が負傷して輸血が必要に
何も知らされていない部署の仲間から緊急を要すると何十件も留守電が入っていた
急いで病院に向かって看護師に同じ型だから問題ないと言って最大限に輸血を
驚く仲間は彼と私が夫婦だったことも幼馴染であることもまったく知らない
小さい頃に白血病なった私へ彼から骨髄移植を受けたことさえ話したことはない
輸血が済んで彼の容体が安定したら目覚める前に仲間と会うことなく消える
その足で捜査本部へ彼の上司にあたる指揮官に前もって準備していた退職届を提出
懐かしい写真が並ぶ捜査資料を横目に説明することなく立ち去ろうとすれば
「貴女は何を知っているの?」と背中に問いかけられても「私は何も」と言うしかない
「何も知らされなかったから」あの人に約束をさせてしまったのは小さな私だ
鬼退治をした桃太郎はクーデターでも反逆者でもなく私にとってはヒーローだから
キャンピングカーを乗り回して延焼させながらの鬼退治は私が願ってしまったこと
保管員を油断させ気絶させて保管庫から拳銃を持ち出してあの人の下へと向かう
庫裏へと乗り込めば捜査の別働隊として動いていた仲間の一人が撃たれていて
あの人に銃口を向ける私に大丈夫だからと宥めるようにもう一人の仲間が言っている
仲間を撃ったのはあの人ではなくあの人と争っていた事件の渦中にある鬼だ
脈々とマンスプレイニングする鬼を逮捕したのは駆け付けた部署の他の仲間と捜査員
貴方はあの人を庇い私に撃たせないようにするけれど私は銃口をあの人から決して逸らさない
良い家族になれるかなと抱かれた疑問に良いか悪いかは私が証明になるよと抱いた希望
私から家族を奪った悪い奴を絶対に捕まえてと私が言ったから貴方もあの人も約束してくれた
法を守らせる人が法を犯してでも証拠を捏造してでもあの人は逮捕することを優先してしまった
貴方は私のせいではないと言ってあの人は自分のせいだから私に殺してもらえることを願う
それでも向けた銃口が震えて引き金を引けずに撃つことが出来ない理由は何よりも簡単明瞭である
あの人をサポートするという名の目的を阻止する為に貴方が作った部署に異動する
キャリア組の彼の経歴に傷が付かないように巻き添えになって累が及ばないように
同じキャリア組でありながら仕事には理解がありながら不満なんて無いに等しいのに
仕事仕事で家庭を顧みなくなって結婚生活が破綻してしまったと嘘を付いて
対外的には降格処分の異動となってしまうからその前に切り出して彼とは別れた
あの人の暴走を止められない貴方に依頼された関連する事件が発生して
秘密裏に部署から離れて行動していたら捜査をする中で彼が負傷して輸血が必要に
何も知らされていない部署の仲間から緊急を要すると何十件も留守電が入っていた
急いで病院に向かって看護師に同じ型だから問題ないと言って最大限に輸血を
驚く仲間は彼と私が夫婦だったことも幼馴染であることもまったく知らない
小さい頃に白血病なった私へ彼から骨髄移植を受けたことさえ話したことはない
輸血が済んで彼の容体が安定したら目覚める前に仲間と会うことなく消える
その足で捜査本部へ彼の上司にあたる指揮官に前もって準備していた退職届を提出
懐かしい写真が並ぶ捜査資料を横目に説明することなく立ち去ろうとすれば
「貴女は何を知っているの?」と背中に問いかけられても「私は何も」と言うしかない
「何も知らされなかったから」あの人に約束をさせてしまったのは小さな私だ
鬼退治をした桃太郎はクーデターでも反逆者でもなく私にとってはヒーローだから
キャンピングカーを乗り回して延焼させながらの鬼退治は私が願ってしまったこと
保管員を油断させ気絶させて保管庫から拳銃を持ち出してあの人の下へと向かう
庫裏へと乗り込めば捜査の別働隊として動いていた仲間の一人が撃たれていて
あの人に銃口を向ける私に大丈夫だからと宥めるようにもう一人の仲間が言っている
仲間を撃ったのはあの人ではなくあの人と争っていた事件の渦中にある鬼だ
脈々とマンスプレイニングする鬼を逮捕したのは駆け付けた部署の他の仲間と捜査員
貴方はあの人を庇い私に撃たせないようにするけれど私は銃口をあの人から決して逸らさない
良い家族になれるかなと抱かれた疑問に良いか悪いかは私が証明になるよと抱いた希望
私から家族を奪った悪い奴を絶対に捕まえてと私が言ったから貴方もあの人も約束してくれた
法を守らせる人が法を犯してでも証拠を捏造してでもあの人は逮捕することを優先してしまった
貴方は私のせいではないと言ってあの人は自分のせいだから私に殺してもらえることを願う
それでも向けた銃口が震えて引き金を引けずに撃つことが出来ない理由は何よりも簡単明瞭である