身代わり姫君の異世界恋綺譚
夕餉が終わるとひとり、真白は縁側から月を見ていた。

月がとても綺麗だ。

――紫鬼と一緒に見たいな。

昼間少しの時間一緒に過ごしてくれた紫鬼だったが、夕餉の時はいなかった。

つまらなそうに食べる真白は清雅にからかわれたりした。

――そう……紫鬼がいつもそばにいて欲しい。

「真白様、夏の夜でも風邪をおひきになりますわ。夜露はお身体に悪うございます。そろそろお部屋の中へ」

桔梗が飲み物を持って立っていた。

「桔梗さん」

桔梗から温かい飲み物を貰うと一口飲んだ。

甘い砂糖湯みたいな味でほっこりする。

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