身代わり姫君の異世界恋綺譚
「せ、精神科っ!?」

――私は頭がおかしいってママに思われていたの?

「心療内科とも言いますが」

呆気にとられている真白に看護師はやんわり微笑む。

「私はどこもおかしくないのっ!」

「わかっています。落ち着いてください」

――落ち着けと言われても……。

必死に言っても車イスを押されてどんどん中へ入っていく。

本当に診察室らしくない場所だ。

豪華マンションのリビングに置かれているような白いソファ。

ソファの奥の窓際に、大きな机が置かれその上にパソコンが見える。

それすら診察に使うような感じは受けない。

車イスは大きな机の前で止まった。

「ただいまドクターを呼んできます」

ずれてしまったひざ掛けを直しながら看護師は言うと、出て行った。

――もしかして……催眠療法とかされちゃうの?

テレビでしか見たことがないが。

――ダメだよ。あの世界のことなんか言っても信じてもらえない。

私の頭がおかしいと思われちゃう。

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