身代わり姫君の異世界恋綺譚
「もう離れない」

遠い昔、死にたいと願った私は長い時を人の為に使えと、神に言われ生きてきた。

そして、鬼だった私は愛する娘に出会った。

真白を殺す時、もう二度と会えない辛さを、私は身をもって知った。

神は昔、こう言った。

『善行を行えば、また別の人生を過ごせるだろう』と。

あの長い年月が善行だったのかわからないが、こうして生まれかわり、また愛する娘と出会えた。

「愛している。真白」

「紫鬼……」

「聖だ。お前に必ず会えると思っていた」

聖はこの上なく優しい微笑を浮かべた。

「聖……」

「早く元気になれ。お前を早く抱きたい」

「し、紫鬼っ! じゃ……なくて……聖先生……」

つい紫鬼の名前を呼んでしまい、慌てて慣れない名前を口にした。

「先生?」

「だって……今はお医者様なんだよね?」

精神科医って言っていた。

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