ただ、名前を呼んで
ヤバイと感じた僕は迷うことなく母を追った。
母は道路を挟んだ向こう側に渡り、通行人にぶつかるのも構わず走り抜ける。
僕は母を見失わないように追いかける。
内藤さんたちも追いかけようとしてるようだけど、まだ道路を渡れずに居た。
母が突然道路沿いにあるビルの中に入って行った。
このビルは誰にも使われていない空きビルで、中は閑散としていた。
薄暗い階段を、脇目もふらずに駆け上がる母。
僕は嫌な予感がしていた。
早く止めなきゃいけない気がしてたんだ。