上司のヒミツと私のウソ
私の企画書がなかったら、矢神を巻き込むことはなかっただろうに。そもそも私が企画の仕事をやりたいなんておもわなかったら、矢神に近づくことも、付き合うこともなかった。
わがままで身勝手で不相応な私の望みが、この苦痛のすべての種。いわば自業自得だ。
そしてなによりも今いちばん深刻なのは、私が矢神の前で自分を偽れなくなってきていることだ。彼が裏だろうと表だろうと関係なく。
このままでは、だめだ。
「課長も早く切り上げてくださいね。働きすぎは体に毒ですよ」
私は精一杯上品な笑みを作った。
前のように──なにも知らなかったころのように、聞き分けのいい大人の女性として彼と接していればいい。以前の自分にもどるだけ。そうすればなにも起こらない。傷ついてみじめなおもいをするようなことは、なにも起こらない。
パソコンのモニターを見ていた矢神の顔が、こちらを向いた。
わがままで身勝手で不相応な私の望みが、この苦痛のすべての種。いわば自業自得だ。
そしてなによりも今いちばん深刻なのは、私が矢神の前で自分を偽れなくなってきていることだ。彼が裏だろうと表だろうと関係なく。
このままでは、だめだ。
「課長も早く切り上げてくださいね。働きすぎは体に毒ですよ」
私は精一杯上品な笑みを作った。
前のように──なにも知らなかったころのように、聞き分けのいい大人の女性として彼と接していればいい。以前の自分にもどるだけ。そうすればなにも起こらない。傷ついてみじめなおもいをするようなことは、なにも起こらない。
パソコンのモニターを見ていた矢神の顔が、こちらを向いた。