上司のヒミツと私のウソ
 午後の始業開始まであと五分あるのに、企画部のメンバーが全員そろっている。矢神ひとりをのぞいて。

「どうしたの?」

 近くにいた情報企画の村上さんをつかまえて、聞いてみた。

「よくわからないんですけど、新しいプロジェクトの発表があるらしいですよ」


 まもなく谷部長が現れ、新ブランドの開発にあたってプロジェクトメンバーに加わる七人を発表すると告げた。

 突然だった。しかも企画部だけで七人ということは、かなり大がかりなプロジェクトだ。


「永井くん、斎藤くん、秋田さん、進藤くん、小島くん、荒谷さん」


 つぎつぎと名前が呼ばれる。

 フロアは静まりかえっていて、谷部長の低い声だけが静かに響き渡る。

 名前を呼ばれたひとも、呼ばれないひとも、表情はまったく変わらない。


「西森さん」


 心臓が跳ね上がった。

 聞き違えたのかとおもったが、私を見る谷部長と目が合った。


「キックオフミーティングの日時は追って連絡する。以上」
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