上司のヒミツと私のウソ
「私もメンバーに選ばれちゃいました。一緒にお仕事するのはじめてですね。よろしくお願いします」


 にっこりと満面の笑みを向けられる。つやがあって、つくりたての大福もちみたいにふっくらした頬。

 いいなあとおもって見ていると、ふいに大福が近づいてきて、耳打ちするようにささやいた。


「それより、矢神課長が旭川支店に転勤になるって話、ほんとうだったんですね」

「え?」

「だって今度のプロジェクトからも外されたってことは、もう決定的じゃないですか? 情報企画の山辺課長は三つ、うちの新井課長だって二つもプロジェクトかけもちしてて、ふたりとも猫の手も借りたいくらい忙しいんですよ。そういう状況なのに、それでも矢神課長に仕事を回さないってことは……」


「まだ決まったわけじゃないでしょう。私たちはなにも聞いてないし」

 反射的に、強い口調になってしまった。
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