上司のヒミツと私のウソ
 驚いている私を見て、おばさんはふっふっふと不敵に笑う。

「最近しょっちゅう来てるよ。実はね、あんたには黙ってたんだけど、南側の非常扉には鍵がかかってないんだよ」




 手早く昼食をすませて倉庫にもどってくると、安田がドアにもたれて立っていた。不機嫌そうな顔でジロリと睨む。

「鍵。あんたが持ってるんでしょ」

「あ、ごめん」


 私は慌ててジーンズのポケットから鍵を出し、倉庫のドアを開けた。安田は中に入ると書棚を見渡し、つぎに事務机の上に積まれている資料を一瞥した。


「進んだ?」

「えっと……」


 いいよどむ。安田の顔の眉間に険しい皺が刻まれる。昨夜からほとんど進んでいないことを、すぐに察知したらしい。
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