上司のヒミツと私のウソ
この突然の禁煙宣言に矢神がからんでいることは、安田には伝えていない。
同じ屋上仲間ではあるけれど、安田はまだ矢神の正体を知らない。となると、矢神が実は喫煙者だという事実も、安田はほかの社員同様に知らないはずだった。
「一度くらい、本気で禁煙するのも悪くないかなって」
それに。
矢神に勝って、どうしても確かめたいことがある。
「とにかく決めたから。今後一切、私の前では吸わないでよ。煙草の話も禁止だからね」
「冗談でしょ。知らないよ、あんたの都合なんか。私は吸いたいときに吸わせていただきます」
安田はそっけなくいい、食べ終えたお皿をトレーにもどすと、立ち上がった。
「食後の一服してくる」
にっこり笑い、トレーを持ってテーブルを離れる。こちらは始業前に二本吸ったきりですでに限界に近いというのに。
軽い足取りで食堂を出て行く安田を見送りながら、私は一言「ムカつく」とつぶやいた。
コピー機の調子が悪いようだ。
午前中から何度も紙詰まりを起こして止まっている。
同じ屋上仲間ではあるけれど、安田はまだ矢神の正体を知らない。となると、矢神が実は喫煙者だという事実も、安田はほかの社員同様に知らないはずだった。
「一度くらい、本気で禁煙するのも悪くないかなって」
それに。
矢神に勝って、どうしても確かめたいことがある。
「とにかく決めたから。今後一切、私の前では吸わないでよ。煙草の話も禁止だからね」
「冗談でしょ。知らないよ、あんたの都合なんか。私は吸いたいときに吸わせていただきます」
安田はそっけなくいい、食べ終えたお皿をトレーにもどすと、立ち上がった。
「食後の一服してくる」
にっこり笑い、トレーを持ってテーブルを離れる。こちらは始業前に二本吸ったきりですでに限界に近いというのに。
軽い足取りで食堂を出て行く安田を見送りながら、私は一言「ムカつく」とつぶやいた。
コピー機の調子が悪いようだ。
午前中から何度も紙詰まりを起こして止まっている。