最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
俺と田上は喫茶室に移動し、ホットのコーヒーを飲んでいる。ついこの間まではアイスを飲んでたのに、月日の経つのは早いもんだなあ、なんつって。
「おい、早く話してくれよ。昼休みが終わっちまうぜ?」
「あ、ああ……」
仕方ない、少しだけ話すとするか。と言っても何を話す? 小さな悩みか、それとも大きな悩みか。間を取って中くらいの悩みか。
というぐらい、俺はいろんな事で悩んでいた。もちろん、全部恭子さんについて。
小さな悩みとしては、例えばTシャツの件。恭子さんは、今でもあれをする時にTシャツを脱がない。俺はもう諦め、それについては何も言わない事にしている。
初めは恥ずかしいからだと思ったが、そんな単純な事ではなさそうだ。恭子さんは俺に何かを隠そうとしてるんだと思う。例えば痣とか、あるいは入れ墨とか。それはちょっと考えにくいが。
俺はその事そのものより、恭子さんがそれを俺に打ち明けてくれない事が哀しい。俺と恭子さんはしっかり信頼しあっていると思いたいが、それは俺の独り相撲なのだろうか……
って、あんまり小さくもねえな、この悩みは……