焦がれて



「何してた?」


あれだけ焦がれた相手が目の前にいる



「うん。床が気持ち良くて」



「なんだ、ビビんじゃん」


ニカニカ笑った田嶋くんに八重歯が見える


鋭利な瞳、薄い唇、鼻筋のとおった鼻、思ったていたよりもずっと男の顔なことにドキドキする


フワフワとした感覚から抜け出せない私を現実へ連れ戻すのは田嶋くんだった




キュッと顔を引き締めた田嶋くん



心がざわつく



「あの、!」



何か言われるより先に言葉を発する




けれど彼はそれを許してはくれなかった



「教室行かねーの?」



私を遮る田嶋くん




「待ってんだろ」


"ショーヘイが"




後ろに続く言葉がイヤでも分かる


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