焦がれて



岡崎笑は、ただボーッと俺を見つめる


その目はどことなく虚ろ



本当に、熱があるのかもしれない



「肩、貸そうか?」



大丈夫?とか、もっと気の利いた言葉が出て来なかった自分を少しだけ呪った





「だ、いじょうぶ」

 
少しびっくりした顔で喋る彼女は、いつもの岡崎笑な気がする



体調が、悪いわけでは無さそう



じゃあ、さっきまでのは?


「何してた?」




「うん。床が気持ち良くて」



少し恥ずかしそうに話す岡崎笑に安心する 



「なんだ、ビビんじゃん」

 
思わず笑が漏れる



< 87 / 191 >

この作品をシェア

pagetop