焦がれて



俺を見て、少し微笑んだ岡崎笑に心臓が跳ねる



なのに心臓とは逆で、頭は現実に戻っていく




何も言わなきゃいいのに


俺の口は勝手に動こうとするが、




「あの、!」


その前に目の前から大きい声が出る



だけど、それはなんとなく俺の言葉を邪魔しようとしていることが分かってて






「教室行かねーの?」



言わなくていい言葉は、声になる




自分を苦しめるような言葉しか言えない俺は、なんとも滑稽だ



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