帝国学園王国



『蓮二くん、あのね、私……プラチナになるよ。』



私に泣く権利なんかない事は分かってるけど。

それでも涙が止まらない……。



『あかり、泣くことじゃないよ。』



『…っ、でも私…。』


『俺には救えなかった命をあいつは救ったんだ。俺の完敗。』


蓮二くんは笑顔でいる。

どうして……?

どうして蓮二くんは笑ってられるの?


『俺だって…すんげぇ悔しいよ。必ず、迎えにいくから。心だけは俺のでいて。』


蓮二くんはぎゅうっと抱きしめながら言った。


『……これで、しばらくは我慢だな。』


『んっ…。』


そう言った蓮二くんはそっとキスをして病院を出て行ったけど、

気のせいかな…蓮二くんも泣いていたように見えたよ。





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