202号室の、お兄さん☆【完】
岳理さんは……、夜の太陽みたいだと思います。
お兄さんは欠けては満ちる綺麗で繊細な月です。
満たされずに欠けて、
寂しくなっては人目に付くように満ちる。
そんな真っ暗闇に映える月を、後ろから照らして光らせてくれる、優しい夜の太陽。
その優しさは隠れていて、
誰にも言わないから、闇夜に隠れてしまっています。
「こんな状態だから、鳴海の部屋の壁は壊れたままの方が良い。せっかくぶち壊したのに、また監禁されたら面倒だ」
「そう、ですね」
「――お前、1人で責任感じるなよ」
乱暴に煙草を消すと、私に向き直り、ぶっきらぼうにそう言いました。
「俺は4年前から覚悟してたから監禁を救った後も予想できた。こうなると分かっていて、みかどに手を貸しただけだ」
「岳理、さん……」
優しい、人。
不器用で口下手ですが、
誰よりも周りに気を使って、先を読んで、助けてくれる人。
「俺はみかどに感謝しかしてねーよ。
みかどのおかげで、また鳴海の親友に戻れたんだから」
そう、優しく微笑まれて、
胸が甘く痛むのが分かりました。
誤魔化す為に、眠っているお兄さんの髪を撫でます。