Lost voice Ⅱ‐キミ ノ オト‐
「んだよ、用がなきゃ来ちゃいけねーの?冷たいな、シューセー。一時期は仲間だったってのにさー」
「今さら仲間なんて言われても、迷惑」
珍しく李織さんも、声に険を含ませて突き放す。
「イオリまで…。悲しいわ」
とか言いつつ、ちっとも悲しそうじゃない。
「ま、お前らにゃ用はないんだけどな。」
口の片端をニヤッと持ち上げ、無遠慮な視線が私へと向けられた。
「やっぱり、これが噂の“ユズ”ね。俺の後釜にゃ、ちっと力不足じゃねーの?大したことなさそうだし」
な…っ!?
あからさまな挑発にカチンと来たと同時に、ある言葉に引っ掛かる。
…後釜?
その言葉で、ようやく彼が誰なのかを思い出した。
「…Rainの元ボーカルだった人ですね」
「ん?なぁんだ、俺のこと知ってたの」
フッ、と龍さんが近付いて来たけれど、それを遮るかのように暁くんが立ちはだかる。
「この子に関わるな。それと、この子はお前よりもずっと才能を持ってる。出る幕がないのはお前だ」
暁くん……。
きゅんと胸が高鳴り、シャツの裾をきゅっと掴む。