好きだったよ、ずっと。【完】
「すごく、嫌だったの…」



こんなこと言うつもりなんかなかったのに、次々と出てくる言葉。



「キスした二人は見つめ合って、笑い合って、そしてまたキスをして…」



幸せそうだった…。



「璃香の腰のラインをずっと春夜は撫でていて、キス以上のこともしてるんだなって想像したら気が狂いそうになった」



その場から去りたいのに、足が動いてくれなかった。



その日は、どうやって家に帰ったかさえ覚えていなかった。



「って、ごめん。こんなこと言うつもりなかったのに…」



「いや…。朱里、俺…」



「やだっ、謝ったりとかしないでよ!?その方が傷付くから…」



<ごめんな>なんて言われても困る。



だって二人は好きで付き合ってただけで、何も悪くないもの。



「あ、うん…」



春夜はそう返事をしてくれたけど、やっぱりどこか悲しそうな顔をしていた。
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