好きだったよ、ずっと。【完】
「やっぱ、いい」



何か腹立ってきた。



この余裕な感じ。



聞きたいと思ったけど、春夜の態度に冷たく拒否をしてしまった。



「教えてやるって」



「いいってば」



やっぱり春夜の傍にいるとドキドキして、離れたくなる。



だからキッチンへ行こうと、立ち上がったわたしを、また腕を掴みそのまま引っ張られると春夜の胸に飛び込むような形になった。



「お、大胆だな」



「なに言ってんのっ、あんたが引っ張ったんでしょうが!!」



ホント、可愛くないなと思ってしまう。



好きな人に<アンタ>なんて…。



「朱里」



落ち込むわたしに、春夜は真剣な顔をして名前を呼んだ。



名前を呼ばれるだけで、その目に見つめられるだけで、動けなくなる。



春夜は、ゆっくりとわたしの耳元に顔を近付けた。



もうこれは、春夜マジックだ。



わたしを動けなくさせる、最高のマジック。
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