好きだったよ、ずっと。【完】
「それでずっと、ショート?」



何だか素直に「うん」と言えなくて、無言で頷いた。



すると小さな声で呟くように、「かわい」と聞こえた。



その言葉だけで、わたしの体は熱くなるんだ。



さっきまでの感情が、一気になくなって。



不安になったり、飛び上がるくらい嬉しくなったり。



自分でも驚くくらいの行動を起こしたり。



恋をすると、情緒不安定になるのかもしれない。



「ん、朱里?」



その証拠に、わたしの体が勝手に動いて春夜の体に前からピタリと、くっつくように抱き着いた。



「どうしよ、春夜…」



「んー?どした」



涙声のわたしに、春夜は髪を撫でながら優しく聞いてくれて。



好きだと言われて、嬉しいのに胸が痛くなって、だけど春夜のことは大好きで。



このまま素直に、「付き合ってください」と言いたいのに璃香のことが浮かんできて。



春夜と二人で店を出てきちゃったけど、璃香はどう思ってたんだろうとか、色んなことを考えてしまって。
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