好きだったよ、ずっと。【完】
「ほんと、あの時は焦りました。失ってから気付くなんて、バカなんですけど…」



失って気付く…、か。



春夜も、わたしが消えたら焦ってくれるのかな。



それとも、璃香のところへ行ってしまうのかな。



「あの…、じゃぁ。なぜ今、お二人は一緒に…?どうやって見つけたんですか…?」



「あぁ、それはね。会社の同僚には言ってたの。行く場所だけをね。それで裕也が会社まで来て、わたしへの想いをその同僚が聞いて、居場所を教えたみたいでね」



「貴子さんがいなかったら、今ボクはずっと後悔して、なつこと一緒にはいなかったです…」



裕也さん、ほんとになつこさんが大好きなんだ…。



すごく、伝わってくるもの。



なつこさんも裕也さんを見る瞳が、とても優しい。



いいな。



わたしもそんな、愛し愛されの関係になりたい。



そう思った時だった。



わたしの鞄から、ブーブーと振動が聞こえたのは。



失礼とは思いつつも、携帯を出せば春夜からの着信で。



「出ねぇの?」



横から、聡が覗いてきた。



どうしよう、声は聞きたいと思うのに怖くて出れない。



「イイこと思いつーいた。貸して」



「あっ」



気付いた時にはもう遅くて、隣の花音さんが携帯を耳にあて出ていた。
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