好きだったよ、ずっと。【完】
『ねぇ、春夜ぁ?誰と電話してるのぉ~?』



甘ったらしい、声。



酔っぱらった時の、璃香だった。



璃香は酔っぱらうと、甘い声を出すんだ。



『おいっ、あんま動くな。危ないだろ』



『わぁ~。春夜の腕の中、懐かしい~』



どうしよう、涙腺崩壊寸前なんだけど…。



だって、今抱きしめてる状態なんだよね…?



太腿の上で両手を、ギュッとした。



爪が手の平に食い込む。



痛いけど、こうでもしなきゃ保てない。



「無理、すんなよ」



そんな時、優しく肩を抱いてくれたのは聡で。



もうこのまま、流されてしまおうかとも思った。



「春夜くん、聞こえる?」



『あー、はい。聞こえてます』



「璃香ちゃんより、朱里ちゃんを大切に思ってんなら、今すぐ迎えに来なさい?」



『え、迎えにって、どこにですか?』



「それは今すぐ来るなら、教えてあげるわよ」



春夜にとって、究極な選択になるのかな。



酔っぱらってる、璃香を取るのか。



どこにいるか分からない、わたしを取ってくれるのか。



彼女なのに、自信がない…。
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