好きだったよ、ずっと。【完】
「えぇ、いるわよ~。ねぇ、イイこと教えてあげようか。オンナってねぇ、ひどく傷ついた時、オトコに優しくされると気持ちがそっちにいっちゃうことがあるのよー?知ってた?」



そうだ。



わたしが聡に惹かれ始めたのは、春夜のことで傷付いて、そんなわたしに聡が優しくしてくれたからなんだ。



じゃぁ、このドキドキはなに?



恋、じゃないの?



偽物の恋、なの?



「朱里ちゃん、春夜くんが璃香ちゃんを、お姫様抱っこしてたの見てたのよー?あのね、元カノにそんなことして、今カノが何とも思わないわけないでしょ。もう一度聞くわよ。朱里ちゃんが大切なら、今すぐに来なさい?」



わたし、見てないんだけどな…。



でも事実みたいだし、いいか…。



『場所、教えてください』



春夜は、確かにそう言った。



「あら、璃香ちゃんはどうするのー?」



『誰かに頼んででも、朱里を迎えに行きます』



春夜は、わたしを取ってくれたの…?



璃香よりも、わたしを優先してくれた…?



「あ、そう。じゃぁ、場所言うわね」



花音さんはナピュレの場所を言うと、電話を切り「はい、朱里ちゃん」と、わたしに返してくれた。



「か、のんさぁん…!!」



「うまくいったでしょ?よしよし、泣かないの」



思わず花音さんの胸に、飛び込み泣いた。
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