好きだったよ、ずっと。【完】
「ちょっと、二人ともやめなさいっ」



花音さんが立ち上がって、言ってくれたんだけど。



「朱里がどんだけ、ショック受けたと思ってんだよ。さっきの電話だって、そうだろ。今野送ってから迎えにくるとか、マジふざけてんだろ。こいつが、どんな思いで聞いたと思ってんだよ」



「はいはい、聡もその辺にしときなね。春夜くんが、こうやって朱里ちゃん優先して来てくれたんだからさ」



何か言わなきゃ、と思うのに言葉が出てこない。



「朱里、ごめん…」



シーンと静まり返った中、春夜の謝る声が耳に届いた。



「お前の気持ち、ちっとも考えてなかった…」



「うん…」



「俺のこと、キライになったか…?」



「……っ」



わたしは、すぐに首を横に振った。



キライになんかなってない、ならないよっ。



「そっか、良かった…。ほんとに、ごめんな。間宮も、悪かった」



「チッ」



春夜が、聡に頭を下げた。



だけど、聡は軽く舌打ちをして、プイッとそっぽを向いてしまった。
< 219 / 267 >

この作品をシェア

pagetop